日本保釈支援協会|公式ブログ

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2006年11月20日

不安な気持ち

 先日ある女性の方から協会のシステム内容のお問合せのお電話を頂いたのですが、その電話を受けた時に私が感じた印象は、なにかオドオドしている話し方で、遠慮がちな不安な気持ちを抱かれているような気がいたしました。
「保釈金の用意をしたいのですが、貸してくれるのでしょうか?」
「金利はどのくらい必要なのでしょうか?」
「借りるための条件はどんな条件でしょうか?」
「保証人は必要なのでしょうか?」
等々その方からはまるで消費者金融で借入れの問合せをするような質問に思えました。
 しかし、こちらから協会の立替システムを詳しくご説明したところ、少し気持ちが落ち着かれたのか声のトーンも高まり少し安心された様子が電話口からも伝わってきました。

 後日その方からお申込みを頂き、協会事務局へ契約をするために足を運んで頂いたのですが、その時もご本人とお連れの方がいらっしゃったのですが、どことなく不安な気持ちが立ちこめた対応で、席に着いても落ち着きがない雰囲気で対話が始まりました。対話が進むに連れてお申込者の方も、協会の存在内容が本当の意味で理解していただけたようで、段々とリラックスした様子になり、お申込者の方の心の中で実は「協会は怖いところではないだろうか?」と今まで不安に思い怖い気持ちでしたというお話を聞かせて頂きました。

 創立以来、協会の仕事に携わる者としては、そのように感じられていたのかと思うと、正直心外な気分も無くはなかったのですが、それよりも少しでもそのような誤解を解くことが先決ですので、対話をしながらこのように相手の方に通じていただけたならと思いました。この後お申込者の方はすっかり不安な気持ちも消え去り、協会との立替委託契約、関係者の保釈の準備、そして保釈の許可待ちまでと手続きが進み、それと共にはじめの不安な気持ちとは逆に、協会に対して感謝の気持ちに変わっていったようでした。

 数日後、保釈の許可がされ立替支援実行となり無事に保釈もされ関係者は我が家へ帰ることが出来たと、お申込者の方から改めて協会へお礼のお電話まで頂きました。

 今、協会の支援を受ける方々との対応するデスクの上に、この方から頂いたお花を綺麗に飾らせて頂いております。花はいいですね、とても心を癒されます。本当にありがとうございました。

 先日、関西の方からの申込書がFAXで事務所に届きました。早速その申込書を見て確認のお電話をいたしました。私はお申込みの方に通常の質問を終えてから、いつも必ずお聞きする「協会のことはどこでお知りになりましたか?」という質問をいたしました。だいたい普通は、インターネットで…、弁護士の先生の紹介で…、法律新聞を見て…、雑誌の広告を見て…等々なのですが、このお申込みの方からは、私がこの2年半の間で聞いた事も無い意外な回答が帰ってきました。

 その方の回答は、「協会のパンフレットが警察署の掲示板に貼ってあったので、それを見て連絡しました。」とのことでした。勿論今までも警察の留置係の方や刑事さんからのお問い合せで資料やパンフレットをお送りしたケースは、意外と少なくありませんでしたが、今回の場合はそれとは違います。これはよくアメリカのテレビや映画に出てくる光景と同じようなことなのです。

 アメリカの裁判所や警察署の中には、当たり前のように保釈保証金の立替会社のパンフレットや名刺が所内の掲示板に貼ってあり、それを被告人本人が取って自分で電話をするというシーンなどがよく見られますが、実際現実にアメリカでは、毎日そのようにして被告人は保釈金を準備して保釈手続きを行っているのです。

 私はこの回答を聞いた時とてもうれしくなりましたが、それと同時にいろいろな事も頭の中をかけめぐりました。警察署の刑事さんは社会の秩序を保つという事が仕事で、事件があればその犯人をつきとめ逮捕して取り調べをします。そして取り調べが終了し起訴されれば、裁判は2ヶ月~3ヶ月かかります。保釈されなければその間はずっと勾留されてしまいます。

 しかし中には素直に犯行を認め深く反省している者もいます。このような者においては、早く元の社会へ復帰させてあげたい、いや早く復帰させなければ犯罪を繰り返す悪循環の中へ入っていってしまうと私は思いますし、きっと関西の警察署やその刑事さんも同じようなことを考えられたのでは等と思い描いたりしました。この関西の警察署のルールや形式にとらわれないその行動によって、一人の被告人とその家族がまた一からやり直せるきっかけを作られたのですから、私はこの警察署に心から感謝したいと思います。

 きっと日本でもこれから保釈についての理解が深まり、10年、20年後にはアメリカのようになっていることでしょう。そう期待しています。但し誤解のないように補足しておきますと、重罪(放火や殺人等)の場合や何度も同じ犯罪を繰り返しているような被告人に対しては、協会は支援を致しません。そもそも裁判所が保釈を許可しないと思われますので、社会が乱されることはないと思います。

2006年10月30日

母親の愛情

 「バカなことをしでかして!」親不孝にも程がある……と思いながらも息子が逮捕され面会が出来るようになったら、日参し息子と面会している。息子は恐喝罪で逮捕勾留されました。前科は無いようですが過去に一度警察に逮捕?されるが、その日に何事も無かったように帰ってきましたと、お母様のお話でした。

 面会に行くといつも「弁護士先生へ保釈申請を頼んでくれ。弁護士先生は、俺から私選弁護士として依頼して、受任してくれている。保釈が許可されたら、日本保釈支援協会から保釈保証金の立替支援を受けられるように、母さん申込んでくれ。弁護士費用も保釈金の立替費用も俺が全部用意出来るので、俺が保釈されたら全部費用は返すから……母さんお願い。」といつも同じ事を話していたそうです。

 お母様はきっと預貯金があるのだろうと息子を信じ、弁護士先生に保釈申請をお願いして協会にも支援の申込みをしました。

 お母様は75歳とご高齢で、しかも役所から生活保護費の受給を受けています。受給額も微々たる金額のようですが、それでも息子からの依頼ならと親心から、なけなしの蓄えから捻出しようと考えていらっしゃる様子、余計なことなのかもしれませんが、私は少し気になっていました。

 私はその後詳しくお話を聞いているうちに、ますます心配になってきました。保釈されたいが為に適当な口述を使う被告人も多いとも聞くので。そんな気もしながら支援申込みの説明から支援が出来るまでの一通りの内容をお話した後、弁護士先生からのお話があり、「被告人は預貯金はありません」などお母様のお話との違いも確認しました。

 被告人が本心から更生し社会復帰を願っているのなら、協会としてはこのような方々へは当然支援していくのが目的のひとつです、しかしちょっと複雑な気持ちがいたしました。

 幾才になっても親がいる以上親の愛情があり、特に母親の愛情は強いものがあるようです。「山より高き父の恩、海より深き母の恩」とも言います。お母様と話す限りその内容は、つくづくと息子に対する愛情ばかりが感じられる電話の対応でした。「目に入れても痛くない」なんて言葉もあります。

 戦争時代、戦場から届く手紙が母親宛が多かったとも聞きます。そして兵士が負傷したり戦死の直前には寂しくも「お母さーん」と叫ぶ声も聞く事が多かったなど、昔の話にも体験者などから聞いた事がありました。まさに「岸壁の母」(わかりますか?)でした。まったくそれと共通する愛情ある母親の言葉でした。

 しかし被告人の保釈については、弁護士先生からの連絡によりますと、今後の保釈申請は判決日も近くなり母親の気持ちは大変理解出来るが保釈申請はしないことにした、被告人本人からの希望もある事で決定致しましたと連絡がありました。お母様の気持ちを無視する訳ではありませんが,正直これで良かったと少しホッとしたような気持ちにもなりました。

 被告人の保釈許可を裁判所から認められた時に、裁判所から受け取る「保釈許可決定」という書面があります。今回のブログは、その書面内容について触れてみたいと思います。この書面内容がいかに大事で大切なものなのか、特に保釈された方又その関係者に読んで頂きたく思っております。

 書面の始まりは被告人の事件番号から記載され、表題が「保釈許可決定」である。被告人の事件について、○○が(保釈申請者)保釈の請求をして裁判所は検察官に意見を聞いた上で保釈の決定をする……と。主文として保釈金額、さらに保釈後の指定条件が記載されています。この指定条件を守らなければ、保釈の取り消し、保釈保証金の没取がされてしまうことになります。

 指定条件とは被告人の事件内容により異なりますが、5~6項目が記載されています。

1 住居の制限に関する注意文
2 裁判所からの召喚に関する文
3 逃亡、証拠隠滅に関する注意文
4 旅行の日数制限に関する注意文

などが一般的である。事件内容によりさらに多くの条件がつくこともある。しかしこれらを変更する事情がある時は、裁判所へ届け出をし許可を得ることが必要で手続きは決して忘れてはなりません。被告人の身勝手な行動が原因で、保釈の取り消し又は保釈保証金が没取されてしまうことがあれば、被告人の関係者が大きな迷惑と負担をこうむる事になります。

 協会の基本的な考えは、保釈される条件下で保釈保証金の用意が出来ない被告人の中でも、社会復帰をして更生を計ろうとする姿勢が、被告人の関係者や担当弁護人を通じて感じられる被告人のみ、保釈保証金の立替支援をしていく考えです。

 この基本的な考え方を協会としては大切にしていきたいと思っております。協会と支援を受ける被告人の関係者又は関係者から支援を受け保釈されていく方々が、協会の支援目的の意味を理解し立派に社会復帰をされる事を願っております。それが実現すれば、我々の活動も報われます。

 平成18年10月10日は協会にとって忘れられない日となりました。それは平成16年4月27日に協会を設立して以来約1000件弱の立替を行って参りましたが、この中の数十件くらいでしょうか、国選の弁護人の先生方の関与が得られないケースがありました。その度に協会は、弁護人に代わり第三者で納付するいわゆる代納の申請を裁判所に提出してきました。しかしこれまでは、まだまだ裁判所への協会の認知度も低く第三者納付の申請をしても、裁判所から許可を頂く事は出来ませんでした。

 それが10月5日に裁判所より代納許可の決定が下り、そして今日10月10日に裁判所への代納が実行されました。裁判所名と裁判官名はご迷惑がかかることを考慮して協会秘とさせていただきますが、ここまでの協会の活動を評価して頂き代納許可を頂いた事にただただ感謝し、今日この日の決定に報うべく今後も地道な支援活動をしていく志を改めて強く持ちました。

 本当に今日はこの3年間の中で忘れられない一日になりそうです。そのくらいうれしい出来事でした。改めて被告人のお母様とご協力頂いた国選の弁護士先生にも感謝し、今日は筆を置きます。

2006年10月06日

案ずるより産むが易し

 昨日から降っている雨は、夕方になってもやむ気配がありません。そんな中、仕事おわりに書き込みをしております。今回のお話は、皆さんが当協会へお電話をしていただく際のご質問の内容をお話しさせていただきます。

 まず特に多い質問というのは、『仕事をしていない私でも支援してもらえますか?』、『被告人は保釈してもらえるでしょうか』といった質問です。こういった質問をしていただいても、手元に申込書が届いてなければ何も状況を理解できないので、『支援できます』とか『保釈できます』とはお答えは出来ないのです。

 お問合せをされる皆さんは、『ワラをもつかむ』気持ちでお電話やお手紙でお問合せをしていただきますが、『支援できますか?』というお問合せに協会職員として何も状況が解らない状態で『支援できます、できません』とはお答えできませんし、『保釈できますか?』に対しても、保釈を許可するか否かは、裁判所が決定することなので『保釈できます、できません』とはお答えできません。

 もしも、このブログを読んでからお問合せをされる方がいましたら、まず申込書を送っていただいた後にご質問をしていただければ、ご相談に応じる事が出来ると思います。「案ずるより産むが易し。」まず勇気を持って行動を起こして下さい。協会にご連絡頂ければ、所定の支援申込書は郵便またはFAXでお送り出来ます。
 
 そして申込みをしてこられた方々の感想は皆似ています。「まさか私が支援してもらえるとは思っても見なかった。」という意見なのです。

 この度の改正刑法・刑訴法が成立した内で窃盗罪の他に、公務執行妨害や交通事故などに適用される業務上過失致死傷罪の罰金の上限見直しなどの刑訴法改正も行われ、施行が平成18年5月からと発表されました。これに関する記事が上記法律新聞にも掲載され、また一般新聞紙上にも掲載されてもいました。法律新聞掲載記事として下記の内容であり、何かのご参考までと改正されたことをお知らせしたく思いました。

 記事内容として

『窃盗罪に対し罰金刑を科せるようにすることなどを盛り込んだ改正刑法・刑事訴訟法が4月25日の衆院本会議で全会一致で可決され成立した。

 これまで窃盗罪の法定刑には懲役しかなく、初犯などの場合は起訴されない場合もあったが、罰金刑の新設で科刑されるケースが増加し、犯罪抑止に効果が出ることが期待されている。施行は5月になる予定。
 窃盗罪の法定刑(現行10年以下の懲役)に罰金を加える背景には、万引きの急増がある。平成16年の万引きの検挙数は約7万7千人となり10年間で倍増しているが、被害額が比較的少数である万引き事件では懲役刑まで科すのは酷ではないかとの考えから、罰金刑の選択肢がなかった。これまでの刑法下では不起訴になることが多かった。今回の改正では、新たに窃盗罪については「50万円以下の罰金」を科すことも可能にした。

 公務執行妨害罪についても同様に罰金刑を新設している。また交通事故被害者側からの罰則を強化すべきとの要望が強いことを踏まえ、交通事故などに適用される業務上過失致死傷罪の罰金刑の上限を見直し、「50万円」から「100万円」に引き上げている。』

 以上の記事が掲載されておりました。又、一般新聞紙上にも同様の記事が掲載されました。

 しかし、交通事故に適用される罰金刑の上限の見直しが50万円から100万円に引き上げられたといえども、今社会的反響が大きい飲酒運転が人身事故へとつながるニュースが毎日のように報じられ、自制心のなさが法改正されてもなんら影響が感じられない気も致します。
 
 危険運転罪も比較的新しい罪名に感じておりますが、今は道路交通法違反も刑事事件扱いが大変多いと聞きます。「飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!」の標語がありますが、酒の上での交通事故などのニュースが報じられなくなる日はいつ来る事でしょうか。少しでも減少してゆく社会の変化を切望しブログへ載せていただきました。

 これから先の文面は、上記した読売新聞の記事でございます。

 熊本刑務所で服役していた元受刑者が「受刑中、新聞社に手紙を出すことを許可されず精神的苦痛を受けた」として、国を相手に15万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決が23日、最高裁第1小法廷であった。泉徳治裁判長は、「表現の自由を定めた憲法の趣旨に照らすと、受刑者の手紙制限が許されるのは逃走防止や更正の観点で、放置出来ない障害が生じる恐れが大きい場合に限られる」との初判断を示し、このケースでの不許可は違法と指摘。請求棄却の1、2審判決を破棄して国に慰謝料1万円の支払いを命じた。国の逆転敗訴が確定した。
 受刑者が、親族以外と手紙を交わすことがどの程度許されるかを巡っては、旧監獄法が「稀に必要性が認められる場合だけ」と定め厳しい制限が定着していた。同法を改正した受刑者処遇法が昨年5月に成立し「原則許可」に改められたが、今回の判断は新法の趣旨に沿った内容で、刑務所の運営に影響を与えそうだ。
 訴えていたのは、爆発物取締罰則違反や現在建造物放火などの罪で1989年から熊本刑務所で服役した元受刑者の処遇についての取材を求める手紙を新聞社に出そうとしたが、刑務所長から不許可とされたため翌年に提訴した。との記事の掲載がありました。
 
 海渡雄一弁護士先生が事務局長で活動していらっしゃる監獄人権センターの働きかけも、いろいろ多大な影響を各方面へ与えていることでもあるのでしょう。今、特に監獄人権的な問題が取りざたされている中で、改善の歩があるのかと思われる記事の一つであると考えたら、皆さんに紹介したく思いました。

実はこの「日本保釈支援協会公式ブログ 協会便り」は、
今まで別のサイトのブログで書いていたのですが、
これからはこちらで続けていこうと思っています。

以前より読んでいただいている方々、改めて宜しくお願いします。
はじめて読んでいただく方、これから宜しくお願いします。

※今まで書いた過去の記事も全て掲載していますので、
 興味を持った方は読んでみてください。

 さて前回の続きです。
 前回は「保釈の取り消し」や「保釈金の没取」などには、日本では刑を受けるのが嫌で逃亡してしまうという原因は極まれなケースであるとお話しました。では一体どんなケースや原因が多いのか?この後編で書いてみます。

 協会で働きはじめてから現在に至るまでの間、「保釈の取り消し」や「保釈金の没取」になった事例は全部で6件ありました。取り消しの原因となったのは、大きく分けて4つの原因でした。

◎保釈許可条件の中にある被害者及びその関係者と連絡を取った為、というのが2件
 【1件は、被告人が被害者の方へお詫びをしようと思い電話で連絡を入れた。連絡が取れなかった為、話はしなかったが携帯電話の着信履歴で被告人が被害者に電話を入れた事が判明した為に保釈の取り消しになった。】
 【もう1件は、被告人が事件の関係者(友人)に対して悪気は無かったものの連絡を取って話をしてしまった事が判明した為、保釈の取り消しになった。】

◎保釈期間中に起訴事実以外の事件が発覚した為、というのが1件
 【窃盗事件で被告人が自供していない件が保釈された後に判明した為、保釈の取り消しになった。】

◎裁判所の出頭日を意味なく引き延ばしたという事が判明した為、というのが1件
 【被告人が体調不良を訴えて裁判所の出頭日を何度か延期にしていたが、実は毎晩繁華街などでお酒等を飲んでいた事が裁判所の調査員に目撃された為、保釈の取り消しになった。】

◎裁判所の決めた出頭日に裁判所に出頭しなかった為、というのが2件
 【1件は、判決日に判決を受けるのが嫌で出頭せずに家にいました。そこに刑事さんが来て身柄を拘束されて保釈が取り消されました。】
 【もう1件は、被告人が会社を経営していて公判日に会社の取引先との重要な契約の為に出頭しませんでした。その2日後に出頭して事情を説明しましたが、勿論そんな言い訳は通らず保釈保証金は没取されました。】

 以上のように被告人が完全に逃亡しようとしているような案件は1件もなく、ほとんどの案件は被告人の安易な考えのもとで保釈が取り消されたといった印象でした。そして結果として、この6件のうちの3件は保釈金が没取されてしまいました。

 このブログをご覧になった被告人の関係者の方は、被告人がこのような事を知らないと「保釈の取り消し」や「保釈金の没取」行われますので、くれぐれもご注意ください。

 今日のブログへの書き込みは仕事が終わってから、(PM 9:30)
一人っきりで協会から書き込みをしています。

 今回は、私が協会設立に向けて準備してきた1年半の時期に勉強した基本的知識と現在感じている現実との比較をお話させていただきます。

 協会設立準備期間の際に多数の弁護士先生のお話を聞いたり、国会図書館などで資料を探したりして自分なりに勉強してきた「保釈の取り消し」や「保釈金の没取」等のことですが、このようなケースは被告人が刑を受けるのが嫌で逃亡してしまうのかな?とずっと思っていました。

 しかし実際には意外にもそうと言えないことに最近気が付きました。実は保釈期間中での逃亡は、我が国では極まれであるという事です。

続きは後編にて。

 今日朝一番で協会のFAX受付機が鳴りました。2枚のA4の紙が弁護士事務所から送られてきました。それに目を通した私は、頭が真っ白になりました。立替した保釈保証金の全額が裁判所に没取されたという内容だったのです。

 すぐに担当弁護士の先生に電話をかけて事情を聞きました。すると先生もあきれた様子で私にバツが悪そうに説明してくれました。実は「被告人は会社の社長で、裁判所の出頭日だった日は、この会社にとって重要な契約があったので、その契約が終わってから出頭する考えだった。」との事でした。そして結局出頭したのはその3日後だったため、没取されてしまったのです。まるで運転免許証の停止に対して運転免許センターに行く日を延ばすような感覚ではありませんか。

 この事により被告人のお父さんと取り交わした保釈保証金立替委託契約書の第9条に基づき、お父さんは立替金相当額損害賠償を負うことになったのです。しかしお父さんもご高齢の為、月々20万円弱という収入の中から協会と協議の上で月々2万円を支払っていく事になりました。お父さんも被告人のあまりにも軽い考えの被害者です。

 そして協会も、全国の被告人の保釈の為に使用する立替金を管理する立場から言わせていただければ、このような無責任な方への立替はしたくはありません、本当に悔しいです。何故ならば、年々協会で取り扱う立替の件数は増えています。我々はその全ての立替に対して無事故で処理するという事、そして立替件数増加に比例して立替手数料の引き下げをする事、これを目標として日々業務をおこなっているからです。

 どうか協会から立替支援を受けた皆様、保釈中は犯した罪に対しての反省を生かし、真面目に社会復帰を目指してください。

2006年08月04日

親の愛情表現

 (ある家族の話で)息子さんの立替支援を受ける手続きにいらしたお父様から聞いた話です。

 息子はある事件に関わり逮捕された。しかし親として当然ながら勾留されている先で充分な 反省をさせたいと思い、面会にも行かず1ヶ月が過ぎた。しかしその間は仕事も手に着かず、面会した時の自分の対応も姿も思い浮かんでこないのである。そして同じ考えの繰り返しのまま幾日も過ぎていった。

 担当の弁護士先生からそろそろ面会してあげて下さいと言われ、ようやく面会に行く。面会して息子に対してまず発した言葉が「バカ者」と口から出てしまった、そして「刑が終わるまで反省しろ」と継いで言葉が出てしまった。しかし息子は毅然とした態度で、『反省は社会復帰してこれから社会人として働いている態度を見てもらい評価して欲しい。』と私の目を見て話した。その姿は20年共に生活した中で見た事のない息子の言動であった。

 私はこの1ヶ月間ずっと面会もせず繰り返し考えていた事が、この時はっきりと自分の考えに決心が着いた気がした。身柄引受人として監督指導をしていかなければならない立場にあった私は、息子の態度や言葉を聞き、これなら社会復帰した時も大丈夫との自信が得られた気がしたこと、それと合わせてもっと早く面会してあげた方が良かったのかとの思いもよぎりました。

 この話はあるお父様からじみじみと話をされたお話でしたが、改めて私は親子の絆の強さ、親が子に抱く気持ち子供が親に抱く気持ちの深さを知りました。確かに法を犯したことは悪いことではあるが、それは別として人間の生のあり方が強く感じ取れることが出来たお話だと私は思いました。

 今世の中は子供が自分の親を殺すまた親が子供を殺すなど悲惨なニュースが多い中、今回のお話は、絆の美しさ親子の愛情の深さなどを改めて思い出させていただきました。

 今日は事務所のクーラーが壊れて一日中外で仕事をしているような環境でした。そんなフラフラの午後2時頃に、九州地方からの申込みたい旨の電話が鳴りました。

 申込人の方は被告人の奥さんでした。協会に問合せがあった時点では担当弁護人である国選の先生に対して、保釈の申請依頼と協会の立替システムを利用する為の協力依頼等をなにも話しをしていないとのことでした。今まで数々の国選の弁護士先生にご協力していただきました。その経験上私たちは弁護人の先生が協会を利用した事が無いという先生や協会の存在事態を知らないという先生等であれば、申込人は弁護人の先生へ説明される際は、協会との契約関係書類を持って先生の事務所まで伺い、書類等を見ていただいた上でご協力の依頼をすると、弁護人の先生のご協力を得られやすいという事をお伝えしたいと思います。

 それはこの方もそうだったのですが、申込人より担当の弁護士先生へ協会の立替に際してご協力を電話で要請したところ、先生より「私は関与したくない。」といわれてしまったそうですが、その後急いで、先生の所へ一式契約書類を持って説明しに行ったところ、「この内容ならば協力してもいいでしょう。」と承諾していただきました。

 やはり弁護士の先生は、どのような契約の基に立替を行っていくのかという事が一番心配なのと関係書類の中で弁護士先生には立替金が裁判所に没収(没取)された時には一切の責任を負わないことなどをはっきりと伝えるべきです。我々協会職員も努力しないといけませんが、いい教訓となる出来事でした。

 今回も協会にお問合せがあったものをご紹介いたします。

【Q:質問内容】
 保釈申請のことです。申請する時は家族又兄弟又親戚じゃないと無理なのですか?
出来るのであれば、私が保釈申請したいのですが?私は仕事でのパートナーです。やはり無理ですか?

【A:回答】
 保釈申請をできる方は下記の方々に法律上決まっております。
勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、
直系の親族若しくは兄弟姉妹の方々は保釈請求ができます。
以上のことから、裁判所への保釈申請は被告人のご家族などの協力がない場合は、
担当弁護人の先生に保釈申請をお願いする方法しか無いと思われます。
更にご質問などがあれば、当協会までお電話にてご相談くだされば、
もっと詳しくご説明できると思います。

 尚、補足と致しまして法定代理人、保佐人の説明をしておきます。
法定代理人
⇒本人の意思によるのではなく、法律の規定に基づいて任命される代理人。未成年者の親権者・後見人など。
保佐人
⇒準禁治産者につけられる保護者。準禁治産者の行う財産上の重要な法律行為について同意権をもつが、代理権はない。

 現状では、被告人の家族以外からの保釈を求める声も多く、
保釈請求権者以外の方は裁判所への保釈請求はできませんので、
担当弁護人の先生のご協力を得て先生より保釈請求を出して貰えるようお願いしてください。

 今回も、協会ホームページでご紹介している「Q&A」以外に、
実際に協会にお問合せがあったものの一部をご紹介いたします。

【Q:質問内容】
 私の住まいは大阪ですが、保釈金の立替の契約をする際に、
東京へ行かなければいけないのでしょうか?

【A:回答】
 担当弁護人の先生にご協力していただければ、協会に来社せずに契約を締結する事は可能です。
 本来、申込人の方に協会へ来社していただく理由は本人確認をする為です。
契約書の署名捺印をしたのが、申込者本人であるという確認を担当弁護人の先生によって証明していただければ申込人は協会へ来社をしなくても構いません。
簡単に言うと契約書の末尾に担当弁護人の先生に「この契約書は本人が署名捺印いたしました。」というサインをもらうだけでOKです。

 前回、保釈金の立替は全国からお申込み可能ですとご紹介させていただきましたが、今回はその場合(遠方からのお申込みの場合)の契約についてのことを説明させていただきました。ちなみに、これまでの協会の立替は東京都内の方より郵便で契約をする遠方の方が多いです。

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