このたびは保釈支援をいただき、誠にありがとうございます。
昨年10月にいきなり逮捕されたと聞いても信じられず、テレビや映画でしか聞いたことのない拘留、起訴などという言葉を耳にするにつれ、すこしづつ事が現実味を帯びてはきましたが、なにをどうすればいいのかわからないまま時間が流れてしまいました。
今思えば、すぐに弁護士さんに相談するなど方法はあったかも知れませんが、情報も知識もなく、社会的には本人と“友人”としての関係しかない私には、ただ迷うばかり。
弁護士会に相談しましたが、「このケースでは弁護士のできることは少ない(が、費用はかかる)」というようなことを説明され、そうこうするうちに起訴が決定しました。
手紙や面会で、仕事や会社、家族への心配に苛まれていることを感じましたが、罪を犯した以上、罰を受けるのは当然のこと。
勤めていた会社を拘留中に解雇されたことも、自業自得と思わねばならないと心しておりました。
ただ、私がどうしても耐えられなかったのは、特定の薬を飲まなければいけない持病がある彼に、その薬を飲ませられない環境でした。
警察署の拘置所にいる間は、かかりつけ医に薬をもらってくださっていたのですが、刑務所の未決拘置所に移送されてからは、「そこにある薬」がすべてだそうです。
症状が軽減しないと、薬の量を増やすだけ。
このままでは、裁判まで持たない。
その思いに毎晩眠れませんでした。
一度体調を整えて、最低限のことを片付けてから判決に向かわせてあげたいと願いました。
ついてくださっていた国選弁護士さんから「保釈申請」のアドバイスをいただいた時、「保釈」など、芸能人や経済力のある人だけのことだと思っていたので驚きました。
保釈申請ができる、保釈金を立て替えてくださる制度がある、夢のような情報でした。
ただ、申込者に「友人」がなれるかどうか弁護士さんにも経験がなく、問合せにOKの答えをいただいて驚いた風でした。
協会からの支援が確定し裁判所から保釈許可が出た時、判決はこれからであることも忘れて喜びました。
おかげさまで温情のある酌量をいただき、社会復帰への道を歩むことができることになりました。
今日があるのも、保釈への道を進めてくださった弁護士さんと、迅速に多額の保釈金を立て替えてくださった協会のおかげだと心より感謝しております。
発足から6年目とのこと。まだこの制度を知らずにいる被告人やその家族の方もたくさんいらっしゃると思います。
もちろん、この制度を利用せずにすむのが一番ですが、もし道をはずしてしまった時、暗闇に一筋の光明となることは間違いありません。
心からの感謝とともに、より一層の協会のご活躍をお祈りいたします。
ありがとうございました。
(愛媛県 被告人の友人)