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毎年この9月の中旬に財団法人法曹会から司法統計年報(刑事編)が発行されます。
私はこれを毎年楽しみにしています。その本の中で楽しみにしている箇所はいくつかありますが、この本を購入して真っ先に開くのは14・15ページの保釈状況を表すところです。

平成23年度の司法統計年報のページの数値を見たとき私はこの10年間で初めて笑顔になったように思います。理由は2つあります。1つは、平成23年度中に勾留状を発行された被告人数58,877人に対して保釈を許可された被告人員数が12,021人という事で18年ぶりに保釈率が20%を超えたことです。もう一つは平成13年~21年までの連続して勾留状を発行された被告人数が7万人を割ることがなかったのですが、平成22年度65,794人と10年ぶりに7万人を下回り、平成23年度同人数が58,877人と更に大きく下回った事です。景気の悪化に伴い増え続ける傾向にあった被告人数がここ2年間で大幅に減ったのです。

昨年の3.11の震災の影響は無縁でないように思います。世界で評価された日本人の行動(緊急事態でも各々が倫理に基づいた行動)は、その後も社会全体に浸透し社会全体で悪事が働かない様に監視する空気すら感じさせる今日この頃ですが、きっとこうした空気がこの数値につながったのではと、勝手に想像して嬉しくなりした。

反面、残念というか課題としてあげる点もありました。それは、起訴される人の犯罪の種類とその数です。当協会HP「保釈について」の中の「保釈に関する数値データ」をご覧頂けば掲載しておりますが、前記でも記述の通り全体の被告人数は大幅に減少しているにも関わらず、毎年犯罪別でいつも一番になるのが窃盗なのですが、平成23年度の窃盗の罪による被告人の数は12,399人と例年並み、そして覚醒剤取締法違反も同様に10,939人と例年並みという点です。この2つの罪名だけは、全体の被告人の数が大幅に減少しても減っていません。格差社会の長期化による貧困層の拡大から生活苦の中で生活必需品を窃盗をする人は減らず、失業率や勤務時間の短縮から暇な時間が増えいたずらに薬物に手を出す人が増えたのではとまたまた勝手に想像しています。

また来年、この本の発行を楽しみにしつつ保釈率の上昇していることに期待したいと思います。

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