保釈について

  • 保釈とは?
  • 保釈手続き
  • 保釈と検察官の意見
  • 保釈の種類
  • 保釈の請求
  • 保釈等の取り消し 保証金の没取
  • 保証金額 保釈の条件

保釈とは?

  • 保証金納付等を条件として、勾留の効力を残しながらその執行を停止し、被告人の身柄を解く制度です。
  • 勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求ができます。
  • 保釈は起訴後のみで起訴前には保釈制度はありません。保釈請求は起訴があれば、公判が始まる前でも後でも判決が確定するまでの間であれば、いつでもできます。
  • 保釈された被告人が逃亡したり証拠を隠滅したり、証人に脅しをかけたりした場合、予納させた保証金を没取するという威嚇の下に保証金を積ませて身柄を一時的に開放する手続きを保釈といいます。

保釈制度には、刑事裁判における「推定無罪の原則」によって、逃亡や証拠隠滅の心配がなければ、保釈金を担保にして被告人の身柄を自由にするという発想が根底にあります。

保釈手続き(刑事訴訟法第94条)

  • 1. 保釈を許す決定は、保証金納付があった後でなければ、これを執行することができない。
  • 2. 裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納めることを許すことができる。
  • 3. 裁判所は、有価証券又は裁判所の適当と認める被告人以外の者の差し出した保証書を以て保証金に代えることを許すことができる。

起訴から釈放までの流れ

保釈と検察官の意見(刑事訴訟法第92条)

  • 1. 保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる。
  • 2. 検察官の請求による場合を除いて、勾留の取り消す決定をするときも、前項と同様である。但し急速を要する場合は、この限りでない。

保釈の種類

1. 【必要的保釈】(刑事訴訟法第89条 )

保釈の請求があったときには、下記の場合を除いては、これを許さなければならない。

  • 一. 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪を犯したものであるとき。
  • 二. 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
  • 三. 被告人が常習として長期3年以上の懲役または禁固に当たる罪を犯したものであるとき。
  • 四. 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由のあるとき。
  • 五. 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
  • 六. 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

2. 【職権保釈】(刑事訴訟法第90条 )

裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

必要的保釈における保釈不許可事由があっても裁判所が適当と認めれば許可される場合もある。

3. 【不当に長い拘禁と勾留の取り消し、保釈】(刑事訴訟法第91条 )

勾留による拘禁が不当に長くなったときは、裁判所は、第88条に規定する者の請求により、又は職権で決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

保釈の請求(刑事訴訟法第88条)

  • 1. 勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。
保釈請求できる方
  • 1. 本人またはその弁護人
  • 2. 親権の有無を問わず、父親または母親、保佐人
  • 3. 民法上の婚姻関係にある夫または妻
  • 4. 直系の姻族も可。兄、弟、姉、妹 のいずれかに該当する方。
保釈請求できない方
  • 1. 選任されていない弁護人
  • 2. 内縁関係にある夫または妻
  • 3. 婚約者、恋人、友人、同僚

保釈請求できる人のことを請求権者(せいきゅうけんじゃ)といいます。

保釈等の取り消し、保証金の没取 (刑事訴訟法第96条)

  • 1. 裁判所は、下記の各号 一.に当たる場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定を以て保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。
    • 一. 被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。
    • 二. 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
    • 三. 被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
    • 四. 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。
    • 五. 被告人が住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。
  • 2. 保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる。
  • 3. 保釈された者が、刑の言渡を受けその判決が確定した後、執行のため呼出を受け正当な理由がなく出頭しないとき、又は逃亡したときは、検察官の請求により、決定で保証金の全部又は一部を没取しなければならない。

保釈中に守らなければならないこと

保証金額、保釈の条件 (刑事訴訟法第93条)

  • 1. 保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる。
  • 2. 保釈金額は、犯罪の性質および情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。
  • 3. 保釈を許す場合には、被告人の住居を制限しその他適当と認める条件を附することができる。

保釈保証金の金額は、被告人が逃亡することのないように、被告人が「取られたら困る」と思えるような金額を裁判所がその人その人に合わせて決めます。一般的な保釈の金額の相場は、だいたい150万円~200万円程度といわれています。

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